ティモールテキスタイルの『アジアの布展』 
   
企画 ティモールテキスタイル岡崎真奈美
          平成30年12月1日(土)〜12月8日(土)
                 

         布を探して世界を旅し、旅をしながら写真を撮る。日本を巡り布を商い、
         民族の布を伝える。布につながるすべての感覚をひろげて

    岡崎さんがティモールなどで集めたイカットなど民族織物を展示

                             
地機織(じばた)       糸紡ぎ
 ティモールはインドネシアの東端にあるティモール島という島です。 ティモールと言うと長い紛争の後独立した東ティモール民主共和国のイメージが強いのですが、この展示会でご紹介しますのはインドネシアの西ティモールです。 東ティモールの騒動がなければ、私達が注目することもなかったティモール島は、東ティモールがポルトガル、西ティモールがオランダに長い間植民地支配されていました。 その影響でイスラム教徒の多いインドネシアでは少数派の敬虔なプロテスタント教徒が多い地域です。 近代化からは忘れられたような島でしたが、最近のアジアの経済発展の影響で大分へんかしてきているそうですが、それでもまだ古い風習が生活に根付いているようなところでもあります。
 今でもこの地域では、織ものは生活や祭事の道具として、衣装として、暮らしの中に当たり前に存在しております。 畑を耕し、子を育てることと同じように布を織るという事が女性達の大切な仕事になっています。 縄文時代にタイムスリップしたような葦葺きの住居に住み、昔ながらの原始的な織機(地機織)で作り出される織物、イカット(絣織)は華やかなバティックと比べると素朴な印象がします。 その布の文様の種類は村や地域、部族によっても多種多様であり、それは代々母から子へと受け継がれてきました。
 女性達が暮らしのため、家族のために惜しみなく時間をかけ織るこの布は、働き者の女達の愛情であり、生命力そのものであり、それがティモールのイカットの本質的な魅力であると考えられます。 
この展示会でどうぞその辺をご堪能いただきたいと思います。 宝石とはまた違った眩しさを感じていただけると思います。
 また、今回展示はされませんが、当然の事ながら生活の様々な道具や装飾品も彼等は自分たちの手で作ります。 綿から種を取り除く綿繰機、糸を紡ぐ際の紡錘、装飾品、彫像。それらは精緻な装飾を施してありながらもどこか素朴で、アフリカの緊張感溢れるそれよりは土着的な人懐っこさが魅力的なのだそうです。
 布や道具などの背景にある人々の暮らしぶりについてイカット(絣織)の展示をご覧になりながら、写真なども交え岡崎さんとお話を楽しんでください。

岡崎さんは20年も前にティモールと出会い、今でも一人で年に数度、バスを乗り継ぎ、山を歩き、村を訪れ織物の買い付けをしています。 その過程で、村の時間に身をおき、多くの人との出会いのなかで、たくさんのことを発見し、教えられたそうです。 織物の背景にある人々の素朴な暮らしぶりの全てを慈しむように愛する岡崎さん。 彼女は心の向くままに人々の生活をいろいろカメラにおさめてきました。 その素敵な写真をご覧頂きながら、岡崎さんとティモールの人々とのハートフルな触れ合いや、現地の生の暮らしぶりなどお話をお楽しみください。